皆さまにお金の知恵を共有したい!という思いから「ちえ」という名前になりました。
今回は「社会保険って何?」というテーマでお話しさせていただきますね。
昔の建設業界は、社会保険加入(社保完備)していないことも多かったですが、現在では、社会保険加入の流れが進んでいます。
しかしながら、
「私は社会保険入ったことないんです」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
その解釈は間違っていないのですが、実は、少しニュアンスが違います。
「社会保険」という言葉をWikipedia先生にお尋ねしてみました。
社会保険制度(しゃかいほけんせいど、英語: Social insurance schemes)とは、社会保障の分野のひとつで、疾病、高齢化、失業、労働災害、介護などの事故(リスク)に備えて、事前に雇用者もしくは雇用主、あるいは両者が社会的供出をすることによって、保険によるカバーを受ける仕組みである[3]…<中略>
…
日本の制度では、医療保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5種類の社会保険制度がある。…<中略>
参考 : https://ja.m.wikipedia.org/wiki/社会保険
難しく書かれていますが、
ようは、日本の制度において社会保険制度には、
①医療保険
②年金保険
③介護保険
④雇用保険
⑤労災保険
の5つがあります。
それぞれを簡単にまとめると、
①医療保険
勤め先で社会保険加入していれば〈健康保険〉に加入(75歳まで)・(健康保険加入していない場合)生まれた日から75歳まで〈国民健康保険〉に強制加入・75歳からは後期高齢者医療制度に強制加入
②年金保険
勤め先で社会保険加入していれば〈厚生年金〉に加入(70歳まで)
・(厚生年金加入していない場合)20歳から60歳まで〈国民年金〉に強制加入
③介護保険
40歳以上になると、亡くなる日まで強制加入
④雇用保険
⑤労災保険
事業主がスタッフを雇った場合のみ加入
こうして見てみると、 ①医療保険 ②年金保険 については、 おそらく全員の方が加入されているのではないかと思います。
では、最近、よく使われている「社会保険」、すなわち、ハローワークや人材紹介会社の方などが 「社会保険完備にしてください」 とかいうほうの社会保険との違いは何でしょうか?
どちらも「社会保険」なのですが、こちらは、「サラリーマンの方が入っている、厚生年金や健康保険」のことを指します。
※ここからはわかりやすく「サラリーマンの社会保険」と呼ぶことにしますね。
「サラリーマンの社会保険」は具体的には、先ほどの5種類あった社会保険の中でも①②③だけを指しており、言いかえると
「雇用されていなくても、加入義務が生じた瞬間に、だれでも絶対入らなければいけない社会保険」とも言えますね。
そしてこの「サラリーマンの社会保険」の保険料は、その社員の方の給与によって決まり、保険料は会社と本人が折半しています。
建設業界は会社(法人)ではなく、「一人親方」と呼ばれる職人の方が多いのが現状です。
建設業は社会保険に未加入の事業者が多いことが問題となり、国土交通省による対策が進められています。
社会保険に未加入の場合、怪我や病気の際の費用の問題だけでなく、仕事の受注や採用にも関係してきます。
2015年8月からは、入札広告を伴う工事で、元請業者が社会保険未加入の業者と一次下請け契約を結ぶことが禁止されました。
また、経営事項審査においても、社会保険への加入の有無が審査対象となりました。
ここで、建設国保の方がいいのではないか、と疑問を持たれる方も多いと思うので、違いについて見ていきましょう!
建設国保と社会保険の違い
傷病手当金
建設国保3日間以上入院した場合 |
サラリーマンの社会保険会社を休んだ日が3日連続で、4日目以降休んだ日に対して支給 |
出産手当金
建設国保出産育児一時金 500,000円のみ支給 |
サラリーマンの社会保険出産育児一時金に加え、出産手当金も支給 |
年金
建設国保国民年金 16,520円(2023年度の場合 毎年変動)×人数分 |
サラリーマンの社会保険出産育児一時金に加え、出産手当金も支給 |
まとめ
このように、社会保険に入るとメリットが多いことが分かります。
また、最近は社会保険未加入業者が多い事が建設業界に若手の人材が集まりにくい要因の一つになっています。
だからこそ、知っていないと損をすることがたくさんあると思います。